「ぼく、漫画家になれますかね?」
「うーん、10本完成原稿を描けたら漫画家になれると思うよ。今まで何本描いた?」
それなりの人数の漫画家さんや編集さんからお話を聞かせてもらったり、入居者でデビューしている人たちから聞いた話を集約してみると、だいたい10本目ぐらいでデビューしていることが分かる。
もちろん、1本目、2本目でデビューするツワモノもいれば、10本描いてもデビューしていない人もいる。それは個人差があるし、目指しているジャンルやタイミングによる違いもあるようだが、10本というのは一方でかなりリアリティのある数字だ。つまり、10本描く間には、無数の描き終えられなかった原稿やストーリーが埋まっている。何千ページ、何万ページという……。描き上げられた原稿というのは、描き上げられなかった原稿を含む、その結晶のようなものだ。









